予備試験とは

1、予備試験とは
正確には、司法試験予備試験といいます。

司法試験を受験するためには、ロースクールを卒業するか予備試験に合格する必要があります。
司法試験の受験資格を得るための1つの方法が、予備試験です。

そして、予備試験には、受験資格は不要です。昨年度は高校生が合格して話題になりました。
ロースクールは大学院ですので、原則として大学を卒業している必要がありますが、予備試験はそうではないのです。

予備試験に合格すると、翌年から5回、司法試験を受験できることになります。

2、試験の概要と内容

(1)動画で概要を見てみよう

動画での解説です。

(2)スケジュール

以下のようなスケジュールになります(最新のものは法務省のホームページや試験案内を確認してください)。
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/shikaku_saiyo_index.html

短答式試験(5月の通常日曜日) → 論文式試験(7月の通常土日2日間) → 口述試験(10月の平日2日間)

合計5日間、結構長丁場の試験になります。
また、短答式に合格して、論文式に不合格でも、翌年は短答式試験からやり直しになります。
論文式試験に合格して、口述式試験に不合格でも同様です。
振り出しに戻ってしまうわけですね。

受験会場は、平成29年度は、北海道、仙台、東京、名古屋、兵庫県、広島市、福岡市でした。
※北海道とあるのは札幌市近郊、兵庫県とあるのは大阪市近郊という意味です。

(3)試験科目
ア)短答式試験
…憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・一般教養科目(人文科学・自然科学・社会科学)

これらが1日で行われるわけです。かなりハードな試験です。
短答式試験は、マークシートの試験で、正解の選択肢を選ぶ試験の形態です。
実は、予備試験後に受験する、司法試験の短答式試験の方が、科目は少ないです(司法試験の短答式試験は、憲法・民法・刑法の3科目)。

イ)論文式試験
…憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・民事実務・刑事実務・一般教養科目(論文)

これらの科目が2日間で行われます。予備試験の天王山は、この論文式試験です。
短答式試験は、勉強すればそのうちできるようになります。
しかし、論文式試験は、書き方のコツみたいなものがいるので、なかなか書けるまでに時間がかかってしまいます。

受験会場は、平成29年度は、札幌、東京、大阪、福岡でした。

ウ)口述式
…民事実務・刑事実務

2つの科目が2日間で行われます。受験会場は東京しかないので、地方の受験生も東京で受験することになります。
口述式試験は、「面接」ではありません。ですので、志望動機は聞かれません。

どちらかというと、「口頭試問」というものに近いです。
口頭試問は、大学院入試などで行われるもので、学問的な内容を聞かれます。
予備試験では、学問というよりは、法律の実務的な内容を聞かれます。

例えば「東京に在住のXさんが沖縄在住のYさんの運転する車に大阪でひかれました。XさんがYさんに200万円の損害賠償請求する時、どこの裁判所に訴訟提起できますか」
というようなことが聞かれます。
どこの裁判所で裁判をやるか、ということは裁判管轄の問題といいまして、実務上は非常に重要です。
自分の住所の近くの裁判所の方が便利ですからね。

3、合格率について
平成29年度で計算してみました。

短答式試験 10665人(採点対象者)合格 2299人 合格率約21.6%
論文式試験 2185人(採点対象者) 合格 469人 合格率約21.5%
口述式試験 469人         合格 444人 合格率約94.7%

全体を通しての合格率 約4.16%

上記をみてお分かりのとおり、かなり難関の試験です。

ただ、短答式試験は誰でも(法律の勉強をあまりやっていなくても)受験できます。
一方、論文式試験は、本当の猛者(短答式試験を突破したから、法律の能力がある者)が受験します。
論文式試験が勝負です。

口述式試験は、ほとんどの方が合格しますが、万が一不合格だと振り出しに戻るので、その緊張感はかなりのものです。筆者も、受験したときは手汗がびっしょりでした。

予備試験の学習法については、また改めて書きます。