法科大学院(ロースクール)

1、はじめに

司法試験を受けるためには資格が必要です。

そして、司法試験受験資格を得るためには、予備試験に合格するほかに、法科大学院(ロースクール)を修了する手段もあります。

ここでは、法科大学院(ロースクール)制度についてご説明しましょう。

2、法科大学院(ロースクール)とは?

専門職大学院の一つで、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものです。

大学院なので、原則として、大学を卒業して(法学部でも他学部でもよい)入学試験に合格する必要があります。

修士課程相当ですが、研究より、法律実務に必要な知識を身に付けることに重点が置かれます。

講義は、「ソクラテスメソッド」という方法が用いられます。

受講生は、ケースブックと呼ばれる判例をもとにした設問集や事例問題集のようなものを予習していきます。

そして、教授が受講生を指名しながら、議論をしていくのです。

このような双方向の講義方法が採られています。

3、法科大学院(ロースクール)入試制度

入試制度は、各大学院によって異なります。ただ、おおむね、未修者コース(3年コース)と既修者コース(2年コース)の2つが置かれることが多いです。

未修者コースは、法律を学習したことがない方向けのコースです。

法学部以外の卒業生を主な対象にしておりますが、法学部の卒業生でも受験は可能であることが多いです。

小論文とステートメント(志望理由書)で合否が判断されることが多いです。
また、英語のスコア(TOEFLなど)が要求されることも多いので、受験される方は募集要項をよく見ておきましょう。

一方、既修者コースは、法律を学習したことがある方向けのコースです。

法学部卒業生を主な対象としておりますが、他学部の卒業生でも、法律を学習していれば受験は可能であることが多いです。

この場合、法律の論文とステートメントで合否が決まるのが一般的です。
英語のスコア(TOEFLなど)が要求されることもあります。
ただ、法律の論文の点数が重視されます。

4、未修者コースの問題点

未修者コースは、あくまで一般論として、司法試験に合格しにくいと言われています。
それは、1年間で既修者に追いつかなければならないからです。
ただ、もちろん1年間必死に努力すれば、既修者に追いつくことは不可能ではありません。

別の方法として、法律を学習したことがない方も、独学あるいは司法試験予備校を使って法律を学習し、既修者コースに入るという手段もあります。